日本が望むアフリカ

3-25-japanafrica過去10年、中国はアフリカに大きく投資をしており、その額は10億ドル超といわれている。それに伴って開発が進み、数万人のアフリカ人が極度の貧困から一歩抜け出すことができた。しかし、中国景気減速やコモディティ価格の下落によって投資は前年比四割減、と中国国営メディアは報じている。

日本はこの投資ギャップを埋めることができるのだろうか。中国の投資額は日本の対アフリカ投資を大きく上回っているが、今年に入り、日本政府はアフリカ案件を促進。 日本の海外事業は恐らく恩恵を受けることになるだろう。

丸紅はエジプトで発電所の新設を発表しているが、このような大型プロジェクトは財政投融資が背景にあり、中国政府と競合することになるだろう。

電力不足の問題が多いアフリカにとっては外国からの専門知識や技術は歓迎されるだろう。

今年末ケニアにて、安倍首相はアフリカ での日本の役割に関して協議する予定であり、8月末にはナイロビでTICAD(アフリカ開発会議)を開催する。

過去にアフリカで反日を説いた経緯がある中国からは、今後も日本批判が出てくる事は予想される。ジャパンタイムズ紙は、中国がアフリカのメディアを通して、自国 を有利にさせる作戦を取っていると報じている。だが、両国とも、投資のためにも、アフリカには平和と安定を望んでいる。特に日本はアフリカの安定的な伸びと国民の安全保障に注力している。

今週、欧州住友商事グループCEOの須之部  潔氏を取材した。中国投資が減速している中、アフリカに対しての日本の見解に変更がないか問うたが、日本からの投資判断はコモディティ価格をより優先していると指摘。彼のコメントは去年の原油や鉄鉱石、銅、プラチナ等の金属価格の大きな下落によって一番大きく影響受けるであろうサハラ以南のアフリカの人々を思い起こさせる物であった。

アフリカの経済成長は2014年は4.6%、2015年は3.4%に縮小すると世界銀行は予測しているが、2009年以来の弱い伸びだ。

残念ながら、中国や日本の動向にかかわらず、アフリカが近年享受してきたような海外からの恩恵を維持するのは 難しいと予測される。

ノーベル経済学賞授賞博士、アベノミクスに慎重なスタンス

20160312_ASD001_0世界のリーダーが自国のマイナス材料となるような情報 を乞うために国際的なエキスパートを招聘するのは稀だ。だが、 安倍晋三首相は今週、世界的に有名なエコノミストでありノーベル経済学賞受賞者のジョセフ・スティグリッツ氏を招き、日本国内の状況に関して忌憚のない意見を求めたが、結果、励みになるような報告は得られなかった。

スティグリッツ教授は「数年前は世界経済がここまで弱くなることを誰も予想していなかっただろう。経済状況の変化に伴って政策を変える必要がある」と述べ、消費増税も間違っていると安倍首相に提言。しかし、消費増税は政府の収入源であり、アベノミクスと深く係わっている。その反面、経済低迷の中、消費増税は更なる景気低迷の引き金ともなり得る。

安倍首相は税金や内政問題以上に、世界経済がどのように日本国内に影響を及ぼすかに興味を示しており、特に中国における景気減速や原油価格の下落に注目。会合には、安倍首相や菅義偉官房長官、石原伸晃経済再生担当相ら関係閣僚に加え、日銀の黒田東彦総裁も参加した。会合は数回続く予定だが、世界のトップ経済学者ポール・クルーグマン教授も招く予定だ。

政府は海外からの意見に耳を傾けているが、政策変更に至るまでには難しく、過去の経緯からして時間がかかると予想する。

海外から日本経済に注目している関係者の多くは、よく構造改革を指示するが、安倍首相と自民党を支持する層の多くは慎重な高齢者のため、なかなか抵抗があるだろう。

英誌エコノミストは、更なる国内改革を後押ししており、安倍政権の下、経済回復が見られなかった場合、国民からの非難は免れないであろうと 報じている。同誌は、安倍首相は平和憲法の根幹である9条改正を優先しているが、そのためには衆参両院からの支持が必須であり、それを以って国民投票の実施が可能となるとしている。ただ、国民からの支持が得られるかどうかは疑問だと述べ、安倍首相の期待を裏切る結果になる事も予想されるとしている。

東北大震災から5年、原子力発電に再び注目

la-fg-japan-fukushima-robots-20160310-001日本では「臭い物には蓋を」と言うが、問題を解決するより隠す傾向がありカメラの前で日本人から率直な答えを引き出そうとするのは難しい、と ロイターテレビのオリバー ファーブレは語る。

5年前の東北大震災は日本にとって、悲惨と言わざるを得ない大きな出来事だったが、日本人は 外国人記者にこの出来事に関して 語ることに抵抗をみせている。

英国放送協会BBCの、ルパート ウイングフィールド ヘイズ記者は人間でなく、動物に注目したニュースを報道。原子力事故以降、野生のイノシシが人間の家に入り、壊れた冷蔵庫から腐った食べ物を探そうと、家の中を荒い散らした模様を放映したが、まるでホラー映画のワンシーンのようだった。

他のレポーターは原子力事故のため親戚をなくした者や家から離れた人たちを取材した。米CNBCは福島第一原子発電所から10キロ離れた波江町に在住していたコウリ ヨシユキさんを取材し、彼は「どうしていいのかわからない。子供や家族はここに戻って来る予定がないのに、先祖の面倒や家の様子を伺うために戻ってきている」と述べる。メディアは日本と原子力の問題について注目している。

2011年3月11日の東京電力福島第一原子発電所事故から5年となる数日前に公判は以前安全だと報じられた原子発電所2機の廃止を指示。原子発電所のオーナーは厳格な安全基準を満たしと述べたばかりだった。 福島原子発電所に関連した多々なミスやその隠蔽を経験した 国民からは更に信用を失った。

安倍首相は「資源に乏しいわが国が、経済性や気候変動の問題に配慮しつつ、エネルギー供給の安定性を確保するためには、原子力は欠かすことはできない」、また原子力発電所の再稼働についても「方針には変わりはない」と述べた。NYタイムズ紙は 日本は小さい山地であり資源が少ないと、安倍首相に同意を示した。

日本は天然ガスの第一輸入国であり、東京電力福島第一原子発電所事故前は、国内の原子発電が魅力的に感じられたが、 メディアが今回取り上げた5年前の出来事は地震や津波の多い日本にとってどれだけ原子力がリスクなのかまた考えさせられるだろう。